Quote for the Japanese Typography

和文に関しては、ひらがなやカタカナの特長は横方向の線が多いので、ジオメトリックにするために、なるべく抑揚をつけず水平線にそろえるように仕上げてもらいました。本当ならカーブを付けた方が落ち着くような文字もなるべく横線を使って整理し、横のラインをきちんとそろえてもらっています。

Sony Design × Monotype - 5 SSTフォントの多言語展開

たとえば、本文処理などでもドロップキャップ処理を設定する場合、通常の組版であれば同一書体でそのまま拡大してしまいますが、ドロップキャップ文字のウエイトを調整することで、全体に落ち着きをもたらすことができます。欧文では、ドロップキャップ指定の文字だけを太らせたり括り文字にするといった処理が一般的ですが、ここではそれの逆の設定ということになります。

デザインとはバランスゲーム 7/7

タイポグラフィの根底にあるものは、原稿の書き手のイデアを読者に伝えることだと思います。特に本文用の書体はそのための媒体に徹するべきで、書体そのものが物を言う必要はありません。明朝でも、ゴシックでも、あまり個性を伝えるべきではないんですね。

Type Project » タイプディレクター 小塚 昌彦氏

「サンセリフ体を使おう」というガイドラインに付け足して、デザイナーにはVerdanaを使うようにこれまではアドバイスしていた。というのも、従来型のコンピュータにそれはよく合っていたからである。しかしながら、もう、Verdanaを推薦することはないだろう。とはいえ、それを使ったからといって、決して害があるわけではない。Verdanaは今の画面でも非常に読みやすい。ただ、もっといいやり方があるというだけである。

HD画面のセリフ体 vs. サンセリフ体

まとめると、文字を組むときに決めなければならないことは、組み方向、並びモード、字間(字送り)、行長、行揃え、行間(行送り)、行数、です。中でも重要なのが、字間、行間、段間、版面のアキなどのスペースを決める作業でしょう。組版とは間をつくることである、と言ってもいいすぎではないぐらいです。

段間や版面のアキを決める作業はレイアウトとの端境にあるもので、複雑な組版と割り付け作業はシームレスにつながっています。

また、文字を組む前に、書体を選定し、文字の大きさを決めておくことは言うまでもありません。DTPでのレイアウトソフト上では、組版をしながら書体選びやサイズ調整を行うことも可能になりました。

これらの変数を埋めていき、置き場所を決めると、XY座標上に意味を持った文字列が並びます。これが文字を組む手順です。

CSSを使ったウェブページ作成の心得がある人なら、なんだCSSのコーディングと同じじゃないか、と思われたことと思います。そのとおりです。活字の組版指定も写植指定もCSSによるデザイン指定も基本は全く同じものです。

第一回 「組むためのアルゴリズム」その4

これらの作品からは、日本語Webフォントによって、[HTML文書でも印刷物のような表現できる]だけでなく、[Webならではの表現が深化する]可能性も感じることができます。

欧米圏のアルファベットとは異なる、漢字かな混じりの日本語ならではの可能性も伝わってきました。

紙のデザインでは基本的な要素である[書体]がHTMLの世界にも加わることで、Webデザインの幅は大きく広がることでしょう。

受賞作品 | Web Designing ウェブフォントデザインアワード2011

そもそもWebフォントは一度システムフォントで表示した上に指定したフォントをレイヤーのように重ねて表示する仕組みが採られています。日本語フォントはそれだけで1書体あたり3MB〜15MBもあり、フォントデータを丸ごとダウンロードすると閲覧側のPCやブラウザ環境によって表示時間が掛かりすぎてしまうため、そのままではWeb向きではありません。そこでFONT+では使用文字だけをサブセット化することで容量を軽量化し、Webの世界でストレスなく使える仕組みを構築しました。

モトヤフォント導入事例_Webフォントサービス「FONT+」2